皆さんは、「放射線」と聞くとどのよう様なイメージをお持ちですか?放射線は危険なもの・怖いものと感じられる方も多いかと思います。
そして放射線による診療(エックス線写真、CTなど)を受けられるとき、「被ばくはどれくらい?」「何回も撮って大丈夫なの?」と
心配になったり不安に思われたことがあるのではないでしょうか?目に見えない放射線のことなので、それがどれくらいの量のものなのか、
そして危険を伴うものなのか、わかりませんよね?そこで今回は医療ばく、中でも妊娠と放射線についてお話したいと思います。
エックス線検査や放射線治療など、放射線を使った医療を受ける患者さんの被ばくのことを医療ばくといいます。
そしてこれには集団検診による被ばくも含まれます。
妊娠に気付かずに胸部写真を撮影したり、胃透視を行なったりしておなかの胎児に影響はないか、また、妊娠はしていなくても被ばくによって
子供ができなくなったりしないだろうかという心配を抱かれる女性も少なくないでしょう。
妊娠中に放射線診断により被ばくを受けた場合、腹部に大量の放射線を受けない限り胎児への影響を心配する必要はありません。
胎児に何らかの影響がおこる可能性があるのは100 mGy以上の放射線を受けた場合(表1)です。
この、何らかの影響が起こるか起こらないかの境の値のことを、しきい線量といいます。
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