乳房X線撮影室

乳房X線装置(マンモグラフィ)
乳房X線装置(マンモグラフィ)写真

 乳房のX線撮影のことをマンモグラフィと呼びます。

 乳房は非常に柔らかい組織でできているため、専用のX線撮影装置を使って撮影します。 マンモグラフィ検査により「シコリとして触れないごく初期の早期がん」をみつけることができます。

 触診では発見できない小さなシコリはもちろんのこと、早期乳がんのサインである石灰化をも明瞭に写し出すことが出来きます。 シコリが触れる場合にはそれが良性か悪性かの鑑別にも有効な検査です。

よい画像を得るために・・・

乳房X線装置(マンモグラフィ)画像1

 マンモグラフィ検査は、撮影装置の前に立って左右の乳房を片方ずつ台の上に乗せて撮影します。
 基本的にはそれぞれ2枚ずつ撮影しますが、挟み込みにくい部位やわかりにくい場合には何枚か追加撮影も行います。 乳房は立体的であるためそのまま撮影すると乳腺や脂肪などに腫瘍が隠れて写し出せないことがあります。 乳房は人により厚みも大きさも違いますので、乳房を引き出し、撮影台と圧迫板に挟み込んで適度な圧迫によって 乳房の厚さを均一に薄く引き伸ばして撮影することで、乳腺の重なりが少なくなり、乳房の中がはっきりとよく見えるようになります。 また乳房の厚さを薄くすることにより、被ばく低減にもなります。ただし、痛みが非常に強い方、皮膚や乳房に炎症や外傷があり圧迫できない方は 撮影を中止することがあります。

乳房X線装置(マンモグラフィ)画像2

マンモグラフィを受けるときには?

 撮影をする範囲は乳房から脇の下を含めた部分になりますので、撮影の際は制汗剤やパウダーなどはよくふき取ってください。 パウダーなどがついたまま撮影されると、がんのサインである石灰化に非常によく似て写ることがあります。髪が長い方は前もって束ねておいて下さい。 また、以前に受けた手術や傷跡、いぼ、ホクロなどや、自分で気がついたシコリなどがありましたら撮影技師に伝えてください。

乳房X線装置(マンモグラフィ)画像3

乳がん検診(乳房検査)と月経の関係

 乳腺は女性ホルモンの影響を受けています。排卵から月経が始まるころまで、卵巣から分泌されるホルモンによって影響を受け、 乳房がしばしば硬くなったり痛みを感じたりします。閉経前の方が検査を受けられるとき、または自己検診を行うタイミングは 月経開始後1週間くらいがベストといわれています。

乳房撮影での放射線被ばくについて

 Ⅹ線撮影ですので、放射線被ばくがありますが、乳房だけの部分的なものなので身体への影響はありません。 1回の撮影で乳房が受ける(吸収する)放射線の量は、東京からニューヨークに飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)の量のほぼ半分です。 したがってマンモグラフィ撮影に伴う危険はほとんどないと考えられています。 ただし、妊娠の可能性のある人、妊娠中の人は避けたほうがよいですが、必要な場合は放射線感受性の高い胎児への被ばくを最小限にする方法も検討します。

マンモグラフィで乳癌が100%見つかるのでしょうか?

 約10%の乳がんがマンモグラフィのみでは見落とされる恐れがあります。一般に若い方は乳腺の量が多くマンモグラフィでは白く写ります。 中年の方でも出産を経験してない場合は乳腺は白く不均一に写ります。 乳腺と乳がんはX線検査では似かよった濃度に写ることも多い為マンモグラフィだけでは異常を写し出すことが難しい場合もあります。 これを補うのが超音波や触診になります。

こんな女性は注意しましょう!

 乳がんの発生には環境的な要因と遺伝的な要因があると考えられています。乳癌にかかりやすい女性の特徴を「リスクファクター」といいます。 ただリスクファクターに当てはまる人が必ず乳がんになるわけではありませんが、そうでないひとに比べると乳がんになる確率が高くなります。 積極的に定期健診を受けましょう。


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