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診療科

放射線治療科

科の特色

 日本が長寿・高齢者社会となるにしたがって、“がん”に罹る人が増加し、今では、国民の2人に1人が一生の間に何らかの“がん”に罹る時代となりました。 それに伴って“がん”に対する医療も変化してきています。

 治療法にも進歩がみられます。レントゲン写真など、“がん”の検査でよく用いられる放射線ですが、放射線治療は“がん病巣”に対して放射線を当てることによって、 “がん細胞の遺伝子”を損傷させ、“がん細胞”を死滅させる治療法です。最初に放射線治療が行われてからすでに100年以上が経っており、“がんの治療法”としては、 手術療法・化学療法(抗癌剤療法)と並んで3本柱の一つといわれています。

 放射線治療の特徴としては、臓器のはたらきを残した状態で治療が出来ること、また、主に病気の場所だけにあてる治療なので、 全身的な副作用が比較的少ないということがあります。このため高齢者の方や全身状態が不調の方を含め、早期から進行した時期の“がん”の治療まで色々な形で係っています。

診察する主な病気(病名)

色々な種類の“がん”に対しての治療を行っていますが、病気の種類やその進行の程度によって役割が異なってきます。

主な放射線治療の役割としては、

  1. 小さながんを放射線治療で治療する(早期喉頭癌、前立腺癌など)。
  2. 抗癌剤と併用して治療する(食道癌、肺癌、悪性リンパ腫など)。
  3. 手術の後の再発予防治療(乳癌の乳房温存療法など)。
  4. がんの骨転移の痛みや脳転移などの症状の緩和・改善を目的とする治療。

などがあり、病気の状態に応じて主治医と連携しながら治療を行っています。

年間治療(手術)状況と最新治療情報

 当院では、リニアックという、高電圧の電気の力でX線という放射線を発生させる装置を使って体の外から放射線をあてる治療を主に行っていますが、 当院で治療が開始されたのは、平成3年で26年前になります。今回、平成29年6月からは3代目として、スウェーデンのエレクタ社製の最新の装置が稼動し、 治療の精度の向上が図られています。また、約20年ぶりに放射線の治療計画(病気に狙いを定める)ためのCT撮影装置も、ドイツのシーメンス社製の新型装置に 更新され精度の向上を図っています。

 新しいシステムでは、治療の際のズレを最小とするため、放射線治療装置そのものにも簡易的なCT装置が装備され、位置の再確認が可能なほか、 呼吸の動きの誤差を少なくする装置なども導入することで治療の精度の向上を図っています。

当院では、年間約100名ほどの新たな患者さんの治療を行っています。

 治療法としては、普通の放射線治療(放射線を毎日少しずつ20回~30回に分けてあてる方法)の他に、 “定位放射線治療”といって病巣の周囲への治療の副作用を減らすために頭の中の小さな腫瘍などをピンポイントで照射し1日で終了する治療や、 早期の前立腺癌では小さな放射線の針を埋め込む“小線源治療”も行っています(当院泌尿器科にて御相談ください)。

 現在、放射線治療科では、放射線治療医(放射線治療専門医1名が常勤)、 放射線治療担当の診療放射線技師4名(うち常勤の放射線治療専門放射線技師2名)、 放射線治療品質管理士1名、看護師、事務職員で協力して行なっています。

 治療の方針については、主治医とよく相談して、納得の上で治療方法を決めることが、とても重要と思います。 私たちも『負担の少ないがん治療』になるように主治医と協力して努力していきたいと思います。

 また、当院は「国指定」の「地域がん診療連携拠点病院」に指定されておりますので、「がん相談支援センター」など“がん”の治療を受けられる上での 色々な御相談にも専任のスタッフが対応しておりますので、合わせて御利用いただければと考えております。

リニアック本体
リニアック本体
治療計画用CTスキャン
治療計画用CTスキャン
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