このたび当院に導入されたCT装置 「LightSpeed VCT VISION」は、5心拍(約5秒)での心臓撮影を実現した世界初のボリュームCTです。また30cm以上の広範囲にわたる500スライス相当の4D(リアルタイムの3次元)撮影を可能としたほか、全身領域における高画質化ならびに飛躍的な被ばくの低減を実現しました。このCTは、放射線科や脳外科を始め、内科・循環器科など、あらゆる診療科の臨床ニーズに幅広く応えるとともに,これまで当院では撮影不可能もしくは困難であった心臓撮影や脳血管3D−CTの実現、そしてその画像のさらなる画質向上・画質安定化および効率性向上を実現しました。
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@「高速スキャン」
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A「500スライス 4D」 (ボリュームヘリカルシャトル) 従来不可能であった撮影テーブルの加速・減速時のデータ収集を可能とすることで、最大312.5mmの広範囲において500スライスの撮影を実現できました。
また、撮影画像から時間軸を有する4D画像の構築をすることで、CT画像から非侵襲的に血流動態を把握できるようになるため、これまで手術の前後に実施していた侵襲的な検査が不要になり、患者様の負担が大幅に低減すると思われます。
臨床的には、例えば約250 mmの肺野領域における心臓から上行大動脈と大動脈弓部を経て下行大動脈に至る血流、ならびに肺静脈の4D CTアンギオグラフィー(血管造影撮影)など、機能検査や時間軸を持つ検査に高い有用性を誇ります。
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B「画像再構成技術−遂次近似法」 (ASIR)
昨今のCT技術の開発焦点となっていた検出器の多列化に伴い、撮影する断層像は加速度的に薄くなり、より微細な病変の検出への可能性を見出してきましたが、同時に画像ノイズの増加も不可避であり撮影画像一枚ごとの密度分解能は低下を続けていました。またこの画質の劣化を補うためにX線の照射量を増やし、結果として被ばく量の増加につながるといった画質と被ばくのトレードオフを繰り返していましたが、このLightSpeed VCT VISIONは、画像再構成技術「遂次近似法」を世界で初めてCTに応用したASIRを搭載することで、撮影画像から密度分解能を左右する画像ノイズやアーチファクト(偽像)成分のみを除去することに成功、照射するX線量が同一の場合の密度分解能を従来に比べて最大40%向上し、一枚ごと画質向上を実現しました。
逆に従来と同等の画質であれば最大50%の被ばく量削減が可能で、高画質と被ばく低減の真の両立を実現しています。微細な病変を捉える必要のある検査においてはこれまでと同じX線量で、通常の画質で十分な場合にはX線照射量を大幅に低減した撮影を可能にすることで、患者様と担当医に最大限のメリットを提供できると思っています。
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C「心臓撮影向けの先端技術の進化」 (スナップショット・パルス)
心臓撮影においては、不慮の心室期外収縮(PVC)※の発生時などに画質が不安定になるという課題がありました。LightSpeed VCT VISIONは、従来比最大90%の被ばく低減と画質向上を両立させたリアルタイムでのPVC対応を可能にする「SnapShot Pulse 2(スナップショット・パルス・ツー)」を搭載することでこれを克服、予期せぬPVCなどの際にも安定した高画質撮影を可能にし、心臓CT検査の適応をさらに広げることができました。
また同装置は、心拍の乱れや不整脈のある患者を撮影した際の画像再構成の効率を格段に向上させ、より迅速な診断を可能にする「ECG Editor 2(イーシージー・エディター・ツー)」を搭載。同技術は,不整脈や心拍の乱れがある場合でも、撮影後の画像再構築の際に、事前に撮影データが解析に適したものかどうかが判断できるため、従来画像再構成が難しかったケースでも撮影時の効率性を高めています。
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※ 心室期外収縮(PVC)とは不整脈の一種で、正常な拍動が起きる前に、心室を起源とする異常な電気的活動の結果生じる余分な拍動のこと。頻度が高く、特に高齢者に多く見られる。ストレス、カフェイン摂取、かぜ薬や枯草熱の治療薬の服用、ならびに冠動脈疾患(特に心臓発作の最中やその直後)、心不全や心臓弁障害などの心室肥大を
もたらす病気によって発生する。
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